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機能を増やさないという選択|LINKEYが宿泊・民泊運用を前提に設計してきた考え方
スマートロック市場は、ここ数年で大きく成熟しました。
暗証番号、カード、遠隔操作といった基本機能は、ほぼ出揃っています。
その中でLINKEYは、機能の多さを競う立ち位置を取ってきた製品ではありません。
それは技術力の問題ではなく、宿泊施設や民泊といった運用の現場で何が本当に負担になり、何がトラブルにつながるのかを見てきた結果です。
本シリーズ「LINKEY 開発と運用の記録」では、スマートロックLINKEYの開発を長年担当してきた前田への取材をもとに、現場で何が起きてきたのか、そしてその一つひとつに対してどのような判断が積み重ねられてきたのかを整理します。
第3回では、なぜLINKEYが「機能を増やさない」という選択をしてきたのかを見ていきます。
※本記事は、LINKEYの開発を担当してきた前田への取材をもとに、当時の判断や考え方を整理したものです。
記載している内容は、すべての環境での動作や導入を保証するものではありません。
この記事でわかること
- 顔認証などの最新機能をあえて追わず、管理負荷の軽減を優先する理由
- ゲストが頻繁に入れ替わる宿泊・民泊現場での「運用破綻」を防ぐ設計
- 長期の保証を掲げられる品質への自信と、現場感覚が生んだ価値基準
顔認証・指紋認証をあえて採用しなかった理由|宿泊・民泊運用で増えやすい管理負荷
前田は、新しい認証方式そのものを否定しているわけではありません。
ただ、ゲストが短期間で入れ替わる宿泊・民泊の現場では、認証情報の管理自体が運用負荷になります。
- 誰が登録するのか
- いつ削除するのか
- 誤登録や削除漏れが起きた場合、誰が対応するのか
登録や削除の手間が増えることで、確認や対応が必要になる場面もあります。
LINKEYが優先してきたのは、運用が破綻しにくいことでした。
宿泊・民泊運用で重視してきた価値基準|機能よりも「説明しなくても回ること」
LINKEYが向き合ってきたのは、個人利用ではなく、運営を前提としたBtoBの現場です。
- 夜間の問い合わせ
- 無人・遠隔での運営
- トラブル時の責任の所在
こうした条件下では、機能が多いことよりも、説明しなくても成立することが重要になります。
新しい機能を追加するほど、説明・管理・責任の線引きは複雑になります。
その複雑さが、現場でのトラブルにつながることも少なくありません。
物理鍵の扱いにも選択肢を残す|運用の前提に合わせて選べる設計
LINKEYでは、物理鍵の扱いについても、運用に応じて選択できる設計を取っています。
既存のシリンダーを残して使うこともできますし、鍵の管理自体をやめたい場合には、ダミーシリンダーに交換するという選択も可能です。
- 非常時の対応を重視する
- 鍵管理の手間を減らしたい
前田が重視してきたのは、現場の前提に合わせて選べる余地を残すことでした。
こうした判断の背景には、実際の運用に触れてきた経験があります。
「最先端」を競わないという立ち位置|信頼される選択肢であり続けるために
前田は、「最先端のスマートロック」と表現することはありません。
代わりに、「長く使われる存在でありたい」と話します。
派手な新機能よりも、
- 運用が破綻しないこと
- トラブルを増やさないこと
機能を増やさないという選択は、決して消極的なものではなく、運用を成立させ続けるための判断でした。
こうした判断を積み重ねてきた結果として、LINKEYでは長期利用を前提としたサポートや保証の考え方が形になっています。
それは、数字を誇るためではなく、「この運用なら大丈夫だ」と言える自信と覚悟の裏付けです。
変わらない判断軸と、これからのLINKEY|機能を選び続けるための基準
ここまで見てきたように、LINKEYの機能設計は、その時々の流行や技術トレンドに合わせて決められてきたものではありません。
宿泊施設や民泊の現場で実際に起きていることを前提に、その機能が運用を複雑にしないか、トラブルを増やさないかという観点から、一つひとつ判断してきました。
では、こうした判断を積み重ねた先で、LINKEYはどこへ向かおうとしているのでしょうか。
次の記事では、開発責任者の視点から「これから」を整理します。
本記事で触れた考え方が、製品としてどのように形になっているのかは、製品紹介ページで確認できます。
