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更新日:2026/02/13

【導入事例】食事と清掃は地域の人の手に委ね、鍵は仕組みで担う|漁港の一棟貸し宿「月光浴」が選んだ人が常駐しない運営とLINKEY Plus

Written byマーケティングチーム

南房総・和田漁港の目の前に佇む「漁港の宿 月光浴」は、一日一組限定の一棟貸し宿です。
運営を手がけるのは、株式会社JGA(屋号:Drop in Style)。
この宿の設計と運営には、最初から明確な前提が置かれていました。

それは「自分が日々のオペレーションに関わらない」ということです。

 

代表の下川路さんは、宿泊事業専業の事業者ではありません。
不動産やゴルフスクール、海外関連のプロジェクトなど、複数の事業を並行して進めています。
そのため、現地に頻繁に足を運び、鍵の受け渡しや日々の対応を行うことは現実的ではありませんでした。

 

月光浴は、そうした制約を後から解決するのではなく、最初から織り込んだうえで設計された宿です。
 
この記事では、月光浴という一つの事例を通して、人が常駐しない宿づくりと、その中でLINKEY Plusがどのように位置づけられているのかを整理します。

 

※本記事でいう無人運営とは、すべてを自動化することではなく、役割を切り分けた運営を指します。

※本記事は一般的な運営課題の整理を目的としており、特定の製品や運営方法を保証・推奨するものではありません。

この記事でわかること

  • 漁港の一棟貸し宿「月光浴」が、自分が現場に関わらない前提の運営を組み立てている考え方
  • 清掃や食事は地域の人の手に委ね、鍵は仕組みで担うという、役割を切り分けた運営設計の実例
  • HOTEL SMARTとLINKEY Plusを軸にした、鍵管理の仕組みと運用の実例

南房総・和田漁港に佇む「漁港の宿 月光浴」と、ライフスタイルをデザインする運営スタンス

月光浴を運営する株式会社JGAは、現在「Drop in Style」という屋号で活動しています。
Drop in Styleは、特定の事業領域に絞らず、「時間の使い方」や「暮らしのあり方」を軸に、プロジェクトベースで取り組みを広げてきました。

 

宿泊事業も、その延長線上にあります。
月光浴は、Drop in Styleの理念の中で言えば「住」というテーマを体現する場として位置づけられています。
事業として拡大すること自体が目的ではなく、自身の価値観や経験をもとに、一つひとつのプロジェクトを形にしていく。
その姿勢が、宿のあり方にも色濃く反映されています。

 

立地となった南房総・和田は、下川路さんが25年以上前からサーフィンで通い続けてきた場所でした。
事業として新たに選んだ土地というより、「個人的な関係性が積み重なってきた場所に、たまたま宿という形ができた」という表現の方が近いかもしれません。
 
 
 

「自分が泊まりたい宿」を形に|セカンドハウスから一棟貸し宿への転換

月光浴の原点は、いわゆる「宿をやろう」という事業発想ではありませんでした。
伊豆・宇佐美で古民家を借り、自分のセカンドハウスとして使い始めたことがきっかけです。

 

良いものができたら、人にも使ってもらいたい。あわよくば、収益化もできるかもしれない。
その延長で、会社として取り組むことを決めたのが南房総・和田での物件購入でした。

 

漁港の最前列という条件の物件は簡単には見つからず、探し始めてから購入までに約1年を要しています。
結果として選ばれたのは、高齢の売主が手放すことになった一軒家でした。

 

こうして月光浴は、「住まい」と「宿泊」の中間にあるような、一棟貸しの宿として形になっていきました。
建物のドアや家具の一部は、地域の大工の手によってつくられています。
既製品で揃えるのではなく、場所や使い方に合わせて手を入れることで、この場所ならではの空気感をつくっていきました。

省人運営を前提に組み立てた月光浴の運営設計|「地域共生」と「自動化」

月光浴の運営を考えるうえで、下川路さんが最も重視したのは「自分が現場にいなくても回ること」でした。
無人であること自体が目的ではなく、物理的に関われない現実を前提に、仕組みを組み立てる必要があったからです。

 

一方で、すべてを機械化・自動化しているわけではありません。
清掃や日常的な管理は、地域の人とのつながりによって支えられています。
隣接する居酒屋「笑福」を通じた紹介をきっかけに、地域の清掃ネットワークとつながり、現在の体制が整いました。
 
また、食事についても地域の方が関わっており、宿泊者は居酒屋「笑福」で食事を楽しめるようになっています。
食事の場をあらかじめ地域側に委ねることで、宿と周辺との関係性が自然につながる形を意識しています。

 

月光浴の無人運営は、人を介さない運営というより、「どこに人が関わり、どこを仕組みで支えるか」を切り分けた結果だと言えます。
 

HOTEL SMARTを起点に考えた、スマートロックの選定

人が常駐しない運営を前提に、必要な仕組みを調べる中で、下川路さんは宿泊管理システム「HOTEL SMART」を起点に情報収集を進めていました。
その流れの中で、連携可能なスマートロックとして紹介されたのが、LINKEY Plusです。

 

スマートロックについては、他の製品も含めて簡単な比較は行っています。
比較表を見たり、AIを使って評判や価格を調べたりといった程度で、時間をかけて細かく検証したわけではありません。

「流れるように決まった」という表現が近く、検討に時間をかけるよりも、自分の前提条件に合うかどうかを重視して導入を決めています。

なぜLINKEY Plusを選んだのか|暗証番号と物理鍵という判断軸

LINKEY Plusを選んだ理由として、下川路さんが挙げたのは、いくつかのシンプルな判断軸でした。

 

一つは、暗証番号(PINコード)で解錠できることです。
ネットワークが不安定な状況でも、電池が残っていれば入室できる点を、運用を考えるうえで現実的だと感じていました。
 
もう一つは、いざという場合に物理鍵が残る設計です。
完全にデジタルに依存しない設計である点を、安心材料の一つとして評価しています。
 
加えて、ランニングコストの考え方も判断材料の一つでした。
一棟貸しで鍵が一つという前提では、過度なコストをかける必要はないと考えていたからです。

暗証番号を使った運用と、人手を最小限にした運営で避けられない停電時の前提

現在、月光浴ではゲストの入室や清掃時の入室に、LINKEY Plusの暗証番号を使用しています。
清掃担当者も同じく暗証番号で入室し、作業後はLINEで報告を行うというシンプルな運用です。

 

運営を始めてから、大きなトラブルは起きていません。
一方で、ブレーカーが落ちてWi-Fiが停止したことはありました。

月光浴では、LINKEY Plusをネットワークに接続して運用しているため、停電時には一部の機能(例:施錠・開錠履歴の取得)が使えなくなります。
下川路さんはこの点についても、「無人で運営する以上、電力や通信に依存する不便さはある」と受け止めています。

そうした前提も含めて、自分が現場に常駐しない運営をどう成立させるかを考えていると言います。

月に1〜2組から始めている、立ち上げ期の月光浴の集客スタンス

月光浴は現在、立ち上げ期として運営されています。
 
集客は自社サイトとインスタグラムが中心で、宿泊数は月に1〜2組程度です。

無理に露出を増やしていないのは、設備や過ごし方が四季を通してどう感じられるかを見極めたいからです。
 
また、価格を下げて数を増やすことも考えていません。

誰に使ってもらうか、どのように使ってもらうかを大切にしながら、少しずつ運営を進めています。
 
 
 
 
 
 

今後の展望|宿を増やすのではなく、仕組みを共有する

今後について、下川路さんは自社で宿泊施設を増やしていく考えは持っていません。
一方で、地方で民泊や宿をやってみたいという相談を受けることは増えています。

そうした場合には、自分が知っているものを紹介するというスタンスで関わる予定です。
無人運営の仕組みを考える際には、LINKEY Plusもその選択肢の一つとして紹介することになるだろうと話しています。

まとめ|一棟貸し宿の「人が常駐しない運営」は、前提条件の整理から始まる

漁港の宿 月光浴の事例は、無人運営の正解を示すものではありません。
ただ、自分が関われないという前提条件を受け止め、そこから逆算して運営を組み立てていく一つの実践例ではあります。

 

鍵の管理も、その前提条件の中で選ばれた要素の一つです。
無人運営は、技術だけで成立するものではなく、思想と現実の積み重ねによって形づくられていきます。

 

本記事で紹介した運用事例を踏まえ、ご自身の施設や運営形態に合うかどうかを確認したい方は、LINKEYの製品紹介ページもあわせてご覧ください。

LINKEY Plus の製品紹介を見る

LINKEY Pro の製品紹介を見る

よくある質問(FAQ)

Q1. 月光浴では、完全に人が関わらない無人運営をしているのですか?

いいえ、完全に人を介さない運営ではありません。
月光浴では、鍵の管理やチェックインといった部分は仕組みで担いつつ、清掃や食事については地域の方に委ねています。
人を完全に介さないこと自体が目的ではなく、「どこに人が関わり、どこを仕組みで支えるか」を切り分けた結果として、現在の運営形態になっています。

Q2. 停電や通信トラブルが起きた場合、運営に支障は出ませんか?

停電などによりWi-Fiが停止した場合、鍵の利用履歴の取得など一部の機能は使えなくなります。
月光浴では、そうした前提も含めて人が常駐しない運営を設計しており、電力や通信に依存する不便さがあること自体を織り込んだうえで運営を行っています。
下川路さんも、「無人で運営する以上、一定の制約は避けられない」と受け止めています。

マーケティングチーム

この記事の著者

マーケティングチーム

このメディアは、
スマートロック「LINKEY」のマーケティングチームが運営しています。

私たちは、
「スマートロックを売る」ことよりも先に、
運営の仕組みや判断の考え方を整理することが大事だと考えています。

現場の声や実例をもとに、
導入するかどうかを決める前の段階でも
安心して判断できる材料を積み重ねていきますので、
気になるテーマがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

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