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更新日:2026/01/14

【引き戸×スマートロック】なぜ設置が難しいのか?種類・構造から学ぶ失敗しないための基礎知識

Written byマーケティングチーム

民泊やレンタルスペースの運営で、引き戸の物件にスマートロックを取り付けたいというご相談をいただくことが増えています。
検討を進めるなかで初めて、「引き戸はスマートロックが難しいこともある」と知り、自分が思い描いたような無人運営ができるのか不安になる方も少なくありません。

実際、多くのスマートロックメーカーが引き戸への設置を「非推奨」としています。
これは製品側の問題ではなく、引き戸という扉の構造そのものに理由があります。

見た目はシンプルでも、開き戸とは違った動き方や「鎌錠」と呼ばれる独特の鍵の仕組みを持っており、この構造がスマートロックの動作に影響しやすいのです。

この記事では、引き戸の種類や構造の基礎を整理し、「なぜ難しいと言われるのか」を理解するための最初のステップをわかりやすく解説します。
この基礎知識があるだけで、次回の「施工編」で行う「うちの物件は取り付けできるのか?」という判断がぐっとスムーズになり、導入後のトラブルも大幅に減らせます。

※ 本記事は一般的な引き戸の構造や施工上の注意点を整理したものであり、特定の製品や設置方法の動作を保証するものではありません。
実際の施工可否や安全性は、物件の状態や扉の構造によって大きく異なります。
導入をご検討の際は、必ず現地の状況を確認できる専門業者にご相談ください。

※シリーズ「引き戸×スマートロック」第1回です。

基本の構造|引き戸と開き戸の鍵はどう違う?

■ 開き戸:横方向の「デッドボルト」で固定する仕組み

一般的な玄関ドアは、「ヒンジ(蝶番)」と呼ばれる金具で片側が固定され、
 押したり引いたりして開閉する仕組みになっています。
このヒンジは扉の「軸」として機能し、
 扉が前後の一定方向にだけ動くため、開閉のブレが少なく、鍵の動作が安定しやすいのが特徴です。

開き戸では、鍵は「デッドボルト(横方向に伸びる閂)」を出し入れして施錠するため、スマートロックとの相性は比較的良いとされています。

■ 引き戸:縦方向に動く「鎌錠(かまじょう)」が主流

引き戸は、扉がレール上を滑るように左右へ動きます。
 この構造に合わせて、鍵は「鎌錠(かまじょう)」と呼ばれる「上方向に跳ね上がる」仕組みが採用されています。

● 鎌錠がスマートロックを難しくする理由

スマートロックは、モーターでこの「鎌を持ち上げる」動作を行う必要があります。

しかし鎌錠は、

  • 扉のわずかな歪み
  • 建付けの悪さ
  • 摩耗や経年劣化

の影響を受けやすく、これによって必要な力が増し、「施錠が重くなる=エラーが出やすい
」という問題が生じます。

これは、スマートロック本体の不具合ではなく、建付け側の問題であることも多い点に注意が必要です。

スマートロックの可否を分ける!引き戸の4つの構造タイプ

引き戸と一口に言っても、実は複数のタイプがあります。
構造によってスマートロックの設置難易度が変わるため、最初に種類を押さえておきましょう。

① 引き違い戸(左右スライド)|【難易度:高】

2枚の扉が左右に動き、中央で合わさる形式。
特に鍵が中央にある場合は、本体の設置スペースが確保できず非推奨です。

② 片引き戸|【難易度:低〜中】

片側にだけスライドするタイプ。
鍵が「枠側」にあるため、本体を安定して取り付けやすく、
もっとも設置しやすい種類です。

③ 上吊り引き戸|【難易度:高】

床にレールがないため、扉が揺れたり遊びが出たりしやすい構造です。
センサーの誤検知リスクが高く、施工時の調整がシビアになります。

④ ガラス引き戸|【難易度:高】

素材の特性上、補強が必要になることが多く、施工難度は高めです。

導入前に知るべき技術的な壁|引き戸が難しい4つの理由

スマートロックメーカーが引き戸を非推奨とする理由は、単に「相性が悪いから」ではなく、構造的な問題が複数存在するためです。

1. 鎌錠を引き上げるための力が大きい

引き戸では鎌錠を縦に持ち上げる必要があり、開き戸より負荷が大きくなります。

特に、

  • 歪んだ扉
  • 鎌錠の摩耗
  • 枠とのズレ

があると、必要な力が増し、施錠失敗が多発します。

2. 「扉が閉まっているか」の判定がミリ単位

引き戸は、少しの隙間が残りやすい扉です。

マグネットセンサーは数ミリのズレでも「扉が閉まっていない」と判定するため、

  • 遠隔から施錠操作をしてもエラーになる
  • 何度操作しても「扉が閉まっていない」状態が続く

などのトラブルがよく起こります。

3. 気温・湿度でセンサー位置がずれやすい

引き戸は、建付けが季節で変動しやすい構造です。
そのため、センサーの適正位置がずれ、
現地での再調整が必要になるケースが多くあります。

4. ストッパーがないと本体が破損することがある

扉を勢いよく開けた際、スマートロック本体に扉が衝突する事故が起きやすいのが引き戸です。

そのため、多くの施工では

  • 下部レールのストッパー追加
  • 開き幅の調整

が必須となります。

まとめ|まずは「建付け」と「引き戸のタイプ」を確認することが第一歩

引き戸にスマートロックを導入する際の成功ポイントは、
建付けの良さと鎌錠の安定動作にあります。

最初に確認すべきは、

  • 片引き戸か?(もっとも設置しやすい)
  • 扉の建付けは良いか?(歪み・傾きはないか)

という基本条件です。

この基礎を理解しておくことで、次の記事で解説する
「物理的に取り付けできる条件」
 がスムーズに判断できるようになります。

次回の【施工編】では、
 あなたの物件は「本当にスマートロックを付けられるのか?」を、
メジャーを使ってセルフチェックできる実践的なチェックリストを公開します。

マーケティングチーム

この記事の著者

マーケティングチーム

このメディアは、
スマートロック「LINKEY」のマーケティングチームが運営しています。

私たちは、
「スマートロックを売る」ことよりも先に、
運営の仕組みや判断の考え方を整理することが大事だと考えています。

現場の声や実例をもとに、
導入するかどうかを決める前の段階でも
安心して判断できる材料を積み重ねていきますので、
気になるテーマがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

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