Column お役立ち情報

更新日:2026/10/01

宿泊施設の集客と運営は、なぜ切り離せないのか|集客支援と鍵管理を担う2社の視点

Written byスマートロック「LINKEY」マーケティングチーム

民泊や宿泊施設の運営では、予約を増やすための集客と、予約後の案内やチェックインを支える運営体制が、別々の業務として扱われがちです。

しかし、ゲストは、SNSやGoogleマップなどで施設を知り、比較・予約した後、案内を受け取って現地へ向かいます。
施設側で担当業務が分かれていても、ゲストにとっては連続した体験です。

予約が増えれば、チェックイン案内や鍵管理、問い合わせ対応も増えていきます。
その結果、これまでの運営方法では対応しにくい場面が出てくることもあります。

一方で、運営体制を整えても、施設の存在や魅力が伝わらなければ、予約にはつながりません。

本記事では、宿泊施設の集客を支援する株式会社リトラ(以下、リトラ)と、スマートロックによる鍵管理や遠隔運営を支援する株式会社ユーエムイー(以下、UME)の共催セミナーから、集客と運営を一つの流れとして捉える考え方を紹介します。

この記事でわかること

  • 集客が伸びたときに見直したい運営業務
  • 施設を知ってから入室するまでの情報をつなぐ考え方
  • 特定の予約経路や担当者に頼りすぎない仕組みづくり

※ 本記事は、2026年6月25日に開催した共催セミナーの講演および質疑応答を、編集部がテーマ別に再構成したものです。登壇者の発言趣旨を変えない範囲で整理しており、架空の対話や掛け合いを演出したものではありません。

予約を増やす集客と、予約後を支える運営はなぜつながっているのか

編集部:予約を増やしながら安定した運営を続けるには、集客と予約後の対応をどのように捉えればよいのでしょうか。

リトラ:予約までの経路を一つの流れとして設計する

宿泊施設が予約を獲得するまでには、ゲストが施設を知り、情報を調べ、ほかの施設と比較し、予約先を決めるという複数の段階があります。

リトラの講演では、InstagramやTikTokなどで施設を発見してもらい、Googleマップで詳しい情報や口コミを確認してもらい、公式サイトや自社予約エンジンから予約につなげる流れが紹介されました。

それぞれの媒体を個別に運用するのではなく、発見・検討・予約という役割を意識し、次の行動へ進みやすい導線を整えることが重要だという考え方です。

OTAは、多くのゲストに施設を知ってもらううえで重要な予約経路です。
一方、公式サイトやSNS、Googleマップでも情報を発信しておけば、OTA以外から施設を見つけてもらう機会を増やせます。

さらに、宿泊したゲストとメールやLINEなどで継続的な接点を持てれば、再訪時に直接予約を検討してもらえる可能性もあります。

UME:予約後に発生する業務まで設計する

予約が確定すると、チェックインに向けた準備や案内が必要になります。

たとえば、次のような業務です。

  • 予約内容の確認
  • チェックイン方法の案内
  • 暗証番号や鍵の準備
  • 清掃担当者との情報共有
  • ゲストからの問い合わせ対応
  • 入室できない場合の状況確認
  • 必要に応じた現地対応

UMEの講演では、複数施設の運営や本業との両立を実現しているホストには、離れた場所から管理できる仕組みを開業時から整えているケースが多いと紹介しました。

鍵の受け渡しやチェックイン案内など、繰り返し発生する業務の手順を定め、遠隔で状況を把握できるようにすることで、ホスト本人が現地へ出向く回数を減らしやすくなります。

ただし、スマートロックを導入するだけで、予約後の業務がすべて自動化されるわけではありません。

どの情報を誰が管理するか、現地作業を誰に任せるか、問題が起きたときにどの順番で状況を確かめるかまで決めておく必要があります。

編集部の整理

集客と予約後の運営は、施設側では別の業務でも、ゲストにとっては一連の体験です。

予約前と予約後を分けて考えるのではなく、ゲストが実際にたどる順番に沿って、情報と運営方法を捉える必要があります。

予約が増えたとき、運営側で見直したいこと

編集部:集客施策によって予約が増えたとき、運営現場ではどのような業務を見直す必要がありますか。

リトラ:予約が増えても対応できる体制かを考える

リトラの講演では、施設数が増えるにつれて、ホスト自身の判断や手作業だけでは対応しにくくなり、運営負担が積み重なっていくことが紹介されました。

集客を強化して予約件数が伸びても、鍵の受け渡しや現地対応を毎回ホストが行っていれば、それに伴って作業量も増加します。

集客施策を進める際には、現在の体制で予約後の業務まで対応できるかを見直す必要があります。

UME:予約件数に比例して増える業務を洗い出す

まず洗い出したいのは、予約件数に応じて作業量が変わる業務です。

代表的なものとして、次のような作業があります。

  • チェックイン案内の作成・送信
  • 暗証番号や鍵の設定・通知
  • 清掃や点検を担当する関係者との情報共有
  • ゲストからの問い合わせ対応
  • 入室できない場合の状況確認や現地対応

1件ごとの作業が短時間でも、予約数や施設数が多くなれば、入力や照合の回数は積み重なります。

また、予約経路やプランによって案内内容が異なる場合や、暗証番号の設定とゲストへの通知を別の担当者が行う場合には、情報の受け渡しも必要です。

編集部の整理

予約件数が伸びたときに管理しにくくなるのは、個人の記憶やその場の判断に頼っている業務です。

予約後の作業を、手順を共通化できるもの、システムで補助するもの、人が判断するものに分けることで、見直すべき部分が明確になります。

集客時の情報と、予約後の案内を一つにつなげる

編集部:集客時に伝えた施設の情報を、予約後の案内から現地での入室まで、どのように一貫させればよいのでしょうか。

集客と運営をつなぐには、予約前に伝えた情報と、予約後の案内や現地の設備に矛盾がないことが重要です。

施設を知ったときの印象から現地での入室まで、ゲストが迷わず進める流れをつくる必要があります。

リトラ:媒体ごとに情報が食い違っていないか確認する

ゲストは、必ずしも一つの媒体だけを見て予約を決めるわけではありません。

Instagramで施設を知り、Googleマップで所在地や口コミを調べ、OTAや公式サイトで設備や料金を比較することもあります。

このとき、施設名や所在地、電話番号、チェックイン時間、設備、利用条件などが媒体ごとに異なっていると、ゲストはどの情報を信じればよいか判断しにくくなります。

自社集客を強化する場合には、新しい媒体を増やすだけでなく、各媒体に掲載している情報をそろえることが基本です。

また、SNSでは魅力的な写真や滞在イメージを伝え、Googleマップや公式サイトでは所在地、設備、予約方法を探しやすくするなど、それぞれの媒体に役割を持たせることも大切です。

UME:予約後の案内と、現地の操作方法をそろえる

予約が完了すると、次にゲストが確認するのはチェックイン案内です。

ここで見直したいのが、案内文と現地の設備・操作方法が一致しているかという点です。

たとえば、次のような内容を確かめます。

  • 案内文に記載された入口と、実際に使用する入口が一致しているか
  • 暗証番号を入力する場所が分かる写真があるか
  • 「画面をタッチしてから入力する」など、必要な操作が書かれているか
  • 玄関と客室で別の番号を使用する場合、それぞれが区別されているか
  • 暗証番号を利用できる時間が伝わっているか
  • 入室できない場合の連絡先が明記されているか

スマートロックを導入していても、ゲストが操作方法を理解できなければ、問い合わせが発生することがあります。

また、通信環境や扉の建付け、設定内容などに問題があれば、案内文だけでは解決できません。

そのため、チェックイン方法を検討するときには、スマートロック単体ではなく、次の要素を一つの流れとして整えます。

  • 予約情報
  • 案内文
  • 暗証番号の設定
  • 通信環境
  • 現地の表示
  • 問い合わせ対応
  • 緊急時の代替手段

編集部の整理

集客時の情報と予約後の案内は、別々の制作物ではなく、一つの情報設計として捉える必要があります。

すべての媒体で同じ文章を使うのではなく、必要な情報に矛盾がなく、施設を知ってから入室するまで迷いにくい流れを目指します。

予約経路や担当者への依存を減らす

編集部:予約経路や担当者への依存を減らすには、どのような考え方が必要なのでしょうか。

リトラ:OTAを活用しながら、ほかの接点も育てる

OTAには、宿泊先を探している多くのゲストへ施設を届けられる強みがあります。

自社集客を始めるからといって、OTAの利用をやめる必要はありません。

一方で、予約経路をOTAだけに限定すると、施設側で自由に変更しにくい部分もあります。
たとえば、検索結果に表示される順番や、施設ページの見せ方、ゲストとの継続的な接点などです。

リトラの講演では、OTAを利用しながら、次のような経路も組み合わせる考え方が紹介されました。

  • Instagram
  • Googleマップ
  • 公式サイト
  • 自社予約エンジン
  • メールやLINEを通じた再訪導線

こうした自社で管理できる集客経路を、少しずつ育てていきます。

ただし、自社集客がすべての施設に同じように向いているわけではありません。

施設の立地、規模、客層、宿泊単価、リピーターが期待できる業態かどうかなどによって、かけられる費用や運用方法は変わります。

OTA以外の予約経路を増やす際には、予約をどこで受け付け、在庫やカレンダーをどのように管理するかも同時に検討する必要があります。

UME:鍵や入室対応を一人だけが把握する状態を避ける

運営側でも、特定の担当者だけに業務が集中すると、引き継ぎや事業拡大が難しくなります。

たとえば、次のような状態です。

  • 暗証番号の設定方法を一人しか知らない
  • ゲストへ送った案内内容をほかの担当者が確認できない
  • 入室トラブル時の対応方法が担当者ごとに異なる
  • 清掃スタッフが使用する番号の管理場所が決まっていない
  • 現地対応を依頼できる連絡先が個人のスマートフォンにしか残っていない

こうした状態を避けるには、すべての担当者に同じ業務を任せるのではなく、役割を分けたうえで、必要な情報を共有できる形にします。

定型的な設定や案内は、可能な範囲でシステムやテンプレートを活用します。

一方、ゲストごとに対応が異なる場合や、現地設備に不具合が起きた場合は、人が状況を把握して対応を決める必要があります。

重要なのは、すべての業務から人をなくすことではなく、「誰が、どの場面を担当するか」を明確にすることです。

編集部の整理

集客では特定の予約経路、運営では特定の担当者だけに頼ると、状況が変わった際の影響が業務全体へ広がりやすくなります。

別の集客経路や引き継ぎ方法を用意し、一部に支障が出ても運営を継続できる体制を整えることが重要です。

システムを導入する前に、情報と運用ルールを整える

編集部:AIや各種システムを活用する前に、宿泊施設側ではどのような情報や運用ルールを決めておく必要がありますか。

リトラ:施設情報の表記をそろえる

リトラの講演では、今後の集客経路の一つとして、AIを使った検索についても紹介されました。

AI検索への対応というと、特別な技術が必要に思えるかもしれません。
しかし、その前提にあるのは、施設情報の正確さです。

まずは、施設名・住所・電話番号などの基本情報が、公式サイトやGoogleマップなどで一致しているかを確認します。

また、AI検索では、利用人数や設備、ペット同伴の可否など、具体的な条件を含めて宿泊先を探す使い方も考えられます。

そのため、設備や利用条件、予約方法など、ゲストが知りたい内容を公式サイト上で分かりやすく示すことも重要です。

AI検索への表示だけを目的に文章を増やすのではなく、まずは正確で分かりやすい施設情報を掲載することが基本です。

UME:システムと担当者の役割を決める

PMSやサイトコントローラー、スマートロックを導入しても、運用ルールまで自動的に決まるわけではありません。

導入前後には、次の3点を整理します。

  1. どのシステムで何を管理するか

    予約情報、ゲストへの案内、暗証番号の設定などを、どのシステムで管理するのかを決めます。
    同じ情報を複数の場所で更新する場合は、入力漏れや内容の違いが生じないよう、どこにある情報を基準にするかも決めておきます。

  2. 誰が設定し、誰が確認するか

    暗証番号の発行や案内の送信など、予約後の業務を誰が担当するかを定めます。
    特定の担当者しか操作方法を知らない状態を避け、担当者が不在の場合でも、必要な対応や引き継ぎができるようにします。

  3. 問題が起きたときの対応手順

    PMSとスマートロックを連携して利用する場合は、予約情報から暗証番号の発行・案内までが、想定どおりに動作するかを確かめます。
    複数メーカーの機器やシステムを利用している場合は、トラブル発生時の切り分け方と問い合わせ先も決めておきます。
    遠隔で解決できない場合に、誰が現地対応を行うかも事前に決める必要があります。

編集部の整理

システムを選ぶ前に、管理する情報、担当者、問題発生時の対応を決めておく必要があります。

ツールを起点に運用を考えるのではなく、自施設の業務に合う仕組みを選ぶという順番が大切です。

集客から入室まで、自施設の流れを見直す

集客と運営は、施設側では異なる業務として管理されていても、ゲストの行動の中では連続しています。

最後に、施設を知ってから利用を終えるまでの順番に沿って、自施設の情報と運営方法を確認してみましょう。

1. 施設を知り、情報を調べる

SNSやGoogleマップ、公式サイトなどから、施設の特徴や基本情報へたどり着けるでしょうか。

媒体ごとに、施設名や住所、設備、利用条件などが食い違っていないでしょうか。

2. 比較し、予約する

施設の特徴や、どのような滞在に向いているかが伝わっているでしょうか。

複数の予約経路を利用している場合、在庫やカレンダーに食い違いが生じないよう管理できているでしょうか。

3. 予約後の案内を受け取る

チェックインまでに必要な情報がそろい、適切な時期にゲストへ届くでしょうか。

案内を作成・送信する担当者や、記載内容を確認する方法は決まっているでしょうか。

4. 現地へ向かい、入室する

施設の入口や駐車場所、鍵や暗証番号の操作方法が、初めて訪れるゲストにも伝わるでしょうか。

案内文と現地の設備が一致し、入室できない場合の連絡先まで示されているでしょうか。

5. 滞在し、退室する

設備の使い方や注意事項、チェックアウト方法を確認できるでしょうか。

問い合わせが必要になった場合の連絡先や、対応時間が伝わっているでしょうか。

6. 再訪を検討する

滞在後も施設の最新情報を確認でき、再び予約先を探しやすい接点があるでしょうか。

SNSや公式サイト、LINEなどを通じて継続的に情報を届けることも、再訪につながる導線の一つです。

 

予約を増やす際には、予約後の案内や鍵管理、問い合わせ対応まで、現在の体制で無理なく受け止められるかを確認する必要があります。

反対に、運営だけを整えても、施設を知り、比較し、予約してもらうための情報がなければ、集客にはつながりません。

集客から入室までを一つの流れとして見直すことが、安定した運営の土台になります。

セミナーで寄せられた実務上の質問

セミナーでは、スマートロックの電池管理やPMS連携、引き戸への設置、複数メーカーを併用する場合の考え方についても、参加者から質問が寄せられました。

当日の質疑応答は、以下の記事で紹介しています。

▶ 宿泊施設運営者から寄せられた質問に回答|スマートロック・PMS・鍵管理Q&A

宿泊施設の鍵管理や遠隔運営を見直したい方へ

株式会社ユーエムイーでは、宿泊施設の鍵管理や遠隔運営を支援するスマートロック「LINKEY」を提供しています。

設置の可否や必要な機器は、扉の形状、通信環境、現在の運用体制によって異なります。

製品の特徴や導入条件は、資料またはお問い合わせ窓口からご確認ください。

▶ LINKEYの製品資料を見る

▶ 宿泊施設への導入について相談する

共催企業紹介

株式会社リトラ

SNSやGoogleマップ、公式サイトなどを活用し、宿泊事業者の集客を支援しています。

スマートロック「LINKEY」マーケティングチーム

この記事の著者

スマートロック「LINKEY」マーケティングチーム

このメディアは、
スマートロック「LINKEY」のマーケティングチームが運営しています。

私たちは、
「スマートロックを売る」ことよりも先に、
運営の仕組みや判断の考え方を整理することが大事だと考えています。

現場の声や実例をもとに、
導入するかどうかを決める前の段階でも
安心して判断できる材料を積み重ねていきますので、
気になるテーマがあれば、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事はこちらからご覧ください

Top Page