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民泊の許可・届出はどう進める?手続きの流れと相談先を解説
民泊の手続きは、利用する制度と物件所在地によって異なります。
契約や工事の前に、その物件で営業できるかを担当窓口に相談しましょう。
この記事では、住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出を中心に、相談から営業開始までの進め方を解説します。
この記事でわかること
- 民泊の許可・届出・認定の違い
- 関係窓口への相談から営業開始までの進め方
- 住宅宿泊事業の必要書類と、期間・費用の考え方
※本記事は2026年10月時点で確認した情報に基づいています。一般的な情報提供を目的としており、法令や手続きの正確性を保証するものではありません。最新情報は各自治体・関係機関の公式発表をご確認ください。
1|民泊の手続きは、利用する制度によって異なる
民泊として宿泊サービスを提供するには、次のいずれかの手続きが必要です。
物件の条件や営業計画によって、利用できる制度が変わります。
| 制度 | 必要な手続き | 最初に調べること |
|---|---|---|
| 住宅宿泊事業法(民泊新法) | 住宅宿泊事業の届出 | 住宅の要件、年間180日以内の宿泊日数上限、条例による営業制限 |
| 旅館業法 | 旅館・ホテル営業や簡易宿所営業などの許可 | 立地、施設・設備の基準、営業の種類 |
| 国家戦略特区法(特区民泊) | 外国人滞在施設経営事業の認定 | 実施区域、新規受付の有無、最低滞在期間などの認定要件 |
住宅宿泊事業は、年間180日以内が上限です。
日数は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午までで数え、自治体の条例による区域・期間の制限も確認します。
物件で利用できる制度を確認する
住宅宿泊事業の対象となるには、台所・浴室・便所・洗面設備があり、次のいずれかに該当する必要があります。
- 誰かが普段の住まいとして使っている住宅
- 居住用の住宅として入居者を募集している住宅
- 所有者や、その住宅を借りている人・又借りしている人が、ときどき住まいとして使っている住宅
旅館業は施設・書類の準備、申請、検査・審査を経て許可を取得します。
特区民泊は実施地域や施設・滞在期間の要件を確認し、所在地の手順で認定を受けます。
いずれも許可・認定後に営業を始めます。
特区民泊は新規申請の受付状況にも注意が必要です。
大阪市では2026年5月29日に新規申請の受付が終了しています。
2|物件の契約・改修前に、関係窓口へ相談する
物件の住所、手元の図面、宿泊人数・営業日数、事業者が居住するかをまとめ、所在地の担当窓口へ相談します。
予約や持参資料については、訪問前に自治体の公式案内を確認してください。
| 相談先 | 確認すること | 用意する情報・資料 |
|---|---|---|
| 自治体の民泊・旅館業担当窓口 | 利用できる制度、営業できる区域・期間、必要書類、近隣住民への説明の要否と手順 | 住所、図面、予定する宿泊人数・営業日数、事業者が居住するか、不在になる時間 |
| 管轄の消防署 | 必要な消防設備、消防法令の基準を満たしているか、提出する届出や書類 | 建物の現在の使い方・構造・階数、図面、宿泊に使う部屋、設備・改修の計画 |
| 自治体の建築担当窓口 | その地域・建物で宿泊事業ができるか、建物の使い方を変えるための手続きが必要か | 住所、建物の現在の使い方、面積・図面、予定する営業方法 |
| 物件所有者・管理会社・管理組合 | 宿泊事業としての利用、宿泊者への貸し出し、改修、標識掲示の可否 | 賃貸借契約書または契約案、マンション管理規約、利用・改修の計画 |
設備と改修の要否を確認する
必要な消防設備や安全措置は、建物の規模・構造や宿泊に使う範囲、事業者が居住するかなどによって異なります。
図面を示し、必要な消防設備や改修内容を相談しましょう。
消防法令の基準を満たしていることを示す「消防法令適合通知書」についても、取得・提出の要否と手順を消防署や届出先に確認します。
使用承諾・管理規約と近隣説明を確認する
住宅宿泊事業を賃貸物件で行う場合は、借りた住宅を宿泊者に貸し出すことについて、貸主の承諾が必要です。
又借りしている場合は、所有者などの貸主と、自分に貸している人の両方から承諾を得ます。
分譲マンションなどでは、管理規約で住宅宿泊事業が禁止されていないかを調べます。
規約に定めがない場合は、管理組合が禁止する方針を決議していないことを示す誓約書や議事録なども必要です。
近隣住民への説明が必要か、必要な場合は誰に・どのように・いつ説明するかを自治体に尋ねます。
条例等で義務付けられている説明と、トラブル予防として勧められている説明を区別しましょう。
3|住宅宿泊事業の届出書類と管理体制を整える
必要な添付書類をそろえる
届出に必要な書類は、物件所在地の自治体の公式サイトや担当窓口で確認できます。
次の4種類に分けると、準備する書類を整理しやすくなります。
- 事業者の書類:法律で定める事業者の条件を満たすことを誓約する書類など。法人の場合は、会社等の基本ルールを定めた定款や、登記事項証明書なども必要です。
- 住宅の書類:所在地や所有者などを確認する登記事項証明書、図面、普段の居住・入居者募集など、1章で挙げた住宅の条件を満たすことを示す資料など
- 物件の利用に関する書類:貸主の承諾を示す書類、マンション管理規約の写しなど
- 管理委託の書類:管理業者に委託する場合の契約書の写しなど
上記は必要書類の一例です。
個人・法人、所有・賃貸などによって異なるため、自治体が案内する必要書類の一覧で正式名称と取得先を確認してください。
行政機関が証明する書類は、届出日前3か月以内に発行されたものを用意します。
住宅の登記事項証明書は、賃貸の場合も必要です。
管理業者への委託が必要かを確認する
住宅宿泊事業では、届出住宅の居室数が5室を超える場合、または宿泊者がいる間に事業者本人が不在となる場合、原則として登録を受けた住宅宿泊管理業者への委託が必要です。
他のスタッフが住宅内にいても、事業者本人が不在なら、この原則が適用されます。
ただし、生活必需品の買い物など、日常生活に必要な一時的な外出は除かれます。
委託が不要となる例外もあります。
例えば、事業者自身が住宅宿泊管理業者として登録され、自ら管理する場合です。
また、普段住んでいる住宅が届出住宅と同じ建物・敷地内か、隣接する場所にある場合にも例外があります。
ただし、その住まいから届出住宅の騒音などによる生活環境の悪化に気づけることと、自ら管理する届出住宅の居室数が合計5室以下であることが必要です。
近くに住んでいるだけでは委託不要にならないため、図面や不在時間を担当窓口に伝えて確認しましょう。
法律上、委託が必要な場合は、宿泊者名簿の管理、苦情対応、住宅の維持管理など、法定の管理業務の全部を一つの登録管理業者に任せます。
清掃だけの外注では、この委託義務を満たせません。
契約前に、任せる業務の範囲と開始日を確かめておきましょう。
書類の提出から営業開始までの準備を進める
住宅宿泊事業の届出は、原則として、国が提供する行政手続き用の「民泊制度運営システム」で行います。
本人確認や添付書類、紙での提出方法は、自治体・システムの案内に従ってください。
提出した書類に不備があれば修正し、届出番号の通知を受けた後、自治体の案内に沿って標識を受け取るか作成します。
営業開始までに、届出番号などを記載した所定の標識を、玄関や門扉など外から見える場所に掲示します。
あわせて、安全・衛生面の措置、宿泊者名簿の用意、苦情への連絡・対応体制を整え、管理委託が必要な場合は、管理業者が業務を開始できる状態にしておきましょう。
住宅宿泊事業は許可制ではありませんが、書類を送信するだけで開業準備が完了するわけではありません。
届出先の案内に従い、設備と運営体制を整えてから営業を始めます。
4|営業開始までの期間と費用を見込む
工事や書類の修正にかかる時間も見込む
開業までの期間は、制度・自治体・建物の状態で変わります。
窓口で各工程の目安を聞き、相談予約、証明書の取得、図面作成、工事、必要な審査・検査、書類の不備の修正まで予定に入れましょう。
費用は3種類に分けて見積もる
- 行政手続き・書類取得:制度に応じた申請・検査手数料、証明書の取得費用
- 施設・設備:消防設備、安全措置、建物の改修、図面作成の費用
- 専門家への依頼:書類作成・申請代行、設計などの費用
手数料は制度と自治体の案内で確認し、専門家への依頼は業務範囲や追加料金を見積書で確かめます。
管理委託費などの継続的な運営費は、開業時の費用と分けて予算を組みましょう。
まとめ|物件と営業計画を用意して、所在地の窓口へ相談する
まずは物件の住所・図面と営業計画を用意し、所在地の窓口へ相談しましょう。
契約・工事の前に条件を確認し、書類、設備、管理体制をそろえて開業日を決めることが大切です。
民泊の許可・届出についてよくある質問(FAQ)
最後に、民泊の手続きを準備する際によくある質問をまとめました。
Q1.民泊の許可・届出は、自分で手続きできますか?
自分で手続きできます。
必要な書類や準備を担当窓口で確認しましょう。
専門家に依頼する場合は、書類作成・提出の代行は行政書士、建物の設計や改修計画は建築士などへ相談できます。
Q2.税務署への開業届を出せば、民泊を営業できますか?
いいえ。税務上の開業届と、宿泊事業の許可・届出・認定は別の手続きです。
個人で開業する場合の税務手続きは、国税庁や税務署の案内を確認してください。
Q3.住宅宿泊事業の届出に使う図面は、自分で作成できますか?
必要事項を明確に記載すれば、自分で作成できます。
手書きでも差し支えありません。
設備の位置、間取り・出入口、各階の別、床面積、安全措置など、記載する内容は届出先の案内や作成例で確認してください。
制度の違いや、開業準備の全体像を知りたい方へ
民泊の基本的な仕組みや制度の違いを詳しく知りたい方は「民泊とは」、物件選びから設備・集客の準備まで確認したい方は「民泊の始め方」をご覧ください。
開業前に、チェックインや鍵管理の方法も考えたい方へ
手続きの準備とあわせて、宿泊者のチェックインや鍵の受け渡しをどう行うかも考えておきましょう。
運営方法を検討する際の参考として、民泊開業者向けホワイトペーパーをご覧ください。
参考資料
- 観光庁|事業者の業務[2](宿泊日数・標識等)(別タブで開きます)
- 観光庁|対象となる住宅(別タブで開きます)
- 大阪市|民泊をはじめようと考えられている事業者さまへ(別タブで開きます)
- 観光庁|事業者の業務[1](安全・衛生等)(別タブで開きます)
- 観光庁|届出の際の添付書類(別タブで開きます)
- 観光庁|管理業務の委託について(別タブで開きます)
- 観光庁|民泊制度運営システムのご案内(別タブで開きます)
- 埼玉県|届出書類等について(別タブで開きます)
- 新宿区|旅館の申請(届出)手続き(別タブで開きます)
- 大田区|国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業の手続きについて(別タブで開きます)
- 国税庁|個人事業の開業届出・廃業届出等手続(別タブで開きます)

