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地方の空き家を民泊にするとき最初に考えること|運営のプロが見る5つの判断ポイント
地方に空き家を所有していて、「そのままにしておくのはもったいない」「民泊として活用できないだろうか」と考える方もいるでしょう。
相続した実家などの活用方法を探している方もいるかもしれません。
ただし、民泊として営業できる物件だからといって、必ずしも事業として民泊に向いているとは限りません。
実際にLINKEY編集部が宿泊運営代行会社や民泊運営者へ取材すると、立地や建物だけでなく、必要な初期投資や清掃・緊急対応の体制など、開業後まで見据えて判断していることがわかりました。
この記事では、地方の空き家を民泊として活用する前に考えておきたい5つのポイントを、現場への取材をもとに整理します。
まずは、この記事でわかる内容を簡単にまとめます。
この記事でわかること
- 地方の空き家を民泊にする前に確認したいこと
- 民泊運営のプロが物件を見るときの判断ポイント
- 地方で無理なく運営を続けるために考えたいこと
※本記事は、空き家を民泊として活用する際の一般的な考え方を整理したものです。実際に民泊として営業できるかどうかは、地域や物件、営業形態などによって異なります。開業を検討する際は、自治体などの最新情報をご確認ください。
地方の空き家でも「民泊にできる」と「民泊に向いている」は別
地方の空き家を活用するとき、まず考えたいのは、民泊として営業できるかだけでなく、事業として民泊に向いているかという点です。
ある宿泊運営代行会社では、自治体のルールだけでなく、物件の広さや立地、必要な内装コストなども確認したうえで、民泊として活用するかを判断しています。
条件によっては、賃貸として活用した方がオーナーにメリットがあると考えるケースもあるといいます。
そのため、「この物件で民泊ができるか」と「この物件が民泊に向いているか」は分けて考えることが大切です。
では、具体的にどのような点を確認すればよいのでしょうか。
物件の立地や広さ、必要な改修費など、民泊に向く物件を判断する具体的なポイントは、こちらの記事でも詳しく整理しています。
▶ 民泊に向かない物件とは?運営のプロが開業前に見る判断ポイント
地方の空き家を民泊にする前に確認したい5つのポイント
地方の空き家を民泊として活用する場合は、物件そのものだけでなく、開業後の運営まで想定して判断することが大切です。
ここからは、宿泊運営代行会社や民泊運営者への取材をもとに、事前に考えておきたいポイントを5つに分けて紹介します。
① そのエリアに宿泊需要があるか
まず確認したいのが、その地域にどのような宿泊需要があるのかです。
「観光地だから宿泊客が来るだろう」「インバウンドが増えているから民泊にも需要があるだろう」と考えるだけでは、実際にその物件へ泊まる人がいるかまでは判断できません。
宿泊運営代行会社への取材でも、物件を取得する前の段階から「民泊を始めるなら、どのようなエリアがよいか」と相談を受けるケースがあるといいます。
大切なのは、地域全体の知名度だけではなく、誰が、どのような目的で、その場所に泊まるのかを考えることです。
周辺の宿泊施設や想定するゲストなどを調べ、その物件にどのような宿泊需要が見込めるのかを確認したうえで、民泊としての活用を検討しましょう。
② 建物の状態と必要な改修コストを確認する
空き家を所有している場合でも、そのまま宿泊施設として使えるとは限りません。
建物の状態によっては、内装や水回り、設備などの改修が必要になることがあります。
営業形態や建物によっては、消防設備などへの対応も必要です。
そのため、物件をすでに所有しているからといって、少ない初期費用で民泊を始められるとは限りません。
実際に宿泊運営代行会社が民泊としての事業化を判断する際にも、立地や広さだけでなく、必要な内装コストなどを含めて検討しています。
また、地方物件や空き家活用を支援する別の運営代行会社では、相続した物件などを所有しながら、初期費用をどこまでかけるべきか悩むオーナーもいるといいます。
建物があることを出発点にするのではなく、宿泊施設として使える状態にするまでに、どの程度の投資が必要なのかを確認することが重要です。
③ 清掃や緊急対応を任せられる体制があるか
民泊では、予約やゲストとのメッセージ対応など、離れた場所からできる業務があります。
一方で、すべての業務を遠隔化できるわけではありません。
代表的なのが、清掃や設備のメンテナンス、現地でトラブルが起きたときの対応です。
LINKEY編集部が取材したある一棟貸しの宿では、オーナーが施設から離れた場所に住み、常駐スタッフを置かずに運営しています。
普段のゲスト対応はチャットや電話で行う一方、オーナー自身はすぐに現地へ駆け付けられません。
そのため、施設の近くに住む信頼できる協力者へ、清掃やメンテナンス、緊急時の対応を依頼しています。
地方の空き家を遠隔で運営するなら、「普段は現地へ行かなくても運営できるか」だけでなく、現地対応が必要になったときに誰が動くのかまで決めておく必要があります。
自分で対応するのか、地域の協力者へ頼むのか、運営代行会社などへ委託するのか。
現地でしかできない業務を誰が担うのかを、開業前に決めておくことが大切です。
④ 地域と無理なく共存できるか
民泊は、建物の中だけで完結する事業ではありません。
ゲストが滞在すれば、人の出入りや車の往来などが発生します。
施設の立地や周辺環境によっては、騒音やゴミなどについても配慮が必要です。
そのため、物件だけを見るのではなく、その場所で宿泊施設を続けていけるかという視点も欠かせません。
実際にLINKEY編集部が取材した民泊運営者のなかには、近隣住民と日頃からコミュニケーションを取り、何かあった場合には直接連絡してもらえる関係を築いているケースもあります。
ここで重要なのは、「地方では近所付き合いが難しい」と一律に考えることではありません。
住宅との距離や周辺環境は物件によって異なります。
近隣への影響を想定しながら、必要に応じて地域の人と関係をつくるなど、宿泊施設として地域の中で継続して運営するための方法を考えておくことが大切です。
⑤ オーナーが現地にいなくても運営できる仕組みを作れるか
現地へ行かなくても対応できる業務については、遠隔で管理できる仕組みを整えておくと、オーナーの負担を抑えやすくなります。
たとえば、
- 予約管理
- ゲストとの連絡
- チェックインの案内
- 鍵の受け渡しや管理
などです。
先ほど紹介した一棟貸しの宿でも、オーナーは施設から離れた場所に住みながら、現地スタッフを常駐させずに運営しています。
ゲスト対応はチャットや電話で行い、現地でしかできない業務は近隣の協力者へ任せることで役割を分けています。
地方の空き家を遠隔で運営する場合、「すべて無人にする」ことを目指す必要はありません。
遠隔でできる業務と、現地で人が対応すべき業務を分けることがポイントです。
そのうえで、予約管理システムやセルフチェックイン、スマートロックなどを必要に応じて組み合わせれば、オーナー自身が毎回現地へ行かなくても運営できる体制を作りやすくなります。
これから民泊を始める方へ
民泊を遠隔で運営するには、鍵管理だけでなく、予約対応やチェックイン、清掃、トラブル対応なども含めて、開業前に運営の仕組みを考えておくことが大切です。
民泊開業後の運営をスムーズにするために準備しておきたいことを、無料の資料にまとめています。
地方だからこそ「その場所に泊まる理由」を作れることもある
地方で民泊を始める際には、宿泊需要や運営体制など確認すべき点があります。
ただし、地方にあること自体が弱みになるとは限りません。
有名な観光地や駅の近くでなくても、自然や景観、建物、地域の食や文化などが、「その場所に泊まりたい」と思ってもらえる理由になることがあります。
LINKEY編集部が取材した地方の一棟貸しの宿では、周辺の自然環境を生かし、都会の喧騒から離れてゆっくりと過ごせる空間を作っています。
オーナーは建設前から何度も現地へ足を運び、自然環境の魅力を引き立てられるよう、建物や家具、照明などを設計していました。
この事例からも、地方の民泊では「近くに有名な観光スポットがあるか」だけでなく、その場所でどのように過ごせるかが宿の価値になることがわかります。
自然や景観、建物、地域の文化など、その土地にすでにあるものを見直し、「誰に、どのような時間を過ごしてほしいのか」を考えることも、空き家の活用方法を判断する一つの視点です。
民泊ありきではなく、ほかの活用方法も含めて考える
ここまで5つのポイントを確認してきましたが、すべての空き家を民泊として活用する必要はありません。
宿泊需要が期待できても、必要な改修費が大きかったり、現地の運営体制を作ることが難しかったりする場合もあります。
LINKEY編集部が取材した宿泊運営代行会社でも、物件の広さや立地、内装コストなどを総合的に判断した結果、民泊ではなく賃貸として活用した方がオーナーにメリットがあると考え、民泊を積極的に勧めないケースがあるといいます。
大切なのは、「空き家を民泊にすること」そのものを目的にしないことです。
その物件をどのように活用したいのか、どの程度の費用や手間をかけられるのかも含めて考えたうえで、民泊が自分に合った選択肢なのかを判断しましょう。
そのうえで民泊として活用する場合は、開業後の運営まで見据えて設備を選ぶことも重要です。
スマートロックを含む設備選びの考え方は、こちらの記事でも紹介しています。
▶ 民泊運営のプロは設備をどう選ぶ?|代行会社に学ぶ失敗しない設備選定の考え方
地方の空き家を遠隔で運営したい方へ
ここまで確認したうえで、地方の空き家を民泊として活用し、オーナーが現地に常駐しない運営を考える場合は、現地対応が必要な業務と遠隔化できる業務を分けておくことが重要です。
鍵の受け渡しも、遠隔化を検討できる業務の一つです。
スマートロックを活用すれば、暗証番号などを使ってゲスト自身が解錠できるため、チェックインのたびにオーナーや管理者が現地で物理鍵を手渡す必要がありません。
実際にLINKEY編集部が取材した遠隔運営の宿でもスマートロックが利用されており、オーナーは機能だけでなく、トラブル時に相談できるサポート体制も重視していました。
スマートロック「LINKEY Plus」は、暗証番号による解錠や遠隔での鍵管理に対応しており、オーナーが現地に常駐しない民泊でも利用できます。
「自分の物件ではどのように鍵を管理すればよいかわからない」「スマートロックを設置できるか確認したい」という方は、物件や運営方法に合わせてご相談ください。
まとめ
地方の空き家を民泊として活用するときは、「民泊として営業できるか」だけでなく、開業後も無理なく運営を続けられるかまで考えることが大切です。
宿泊需要や改修費に加えて、清掃・緊急対応の体制、遠隔で管理できる範囲、地域との関係などを確認しておくと、民泊としての適性を判断しやすくなります。
また、自然や景観、建物そのものの特徴などが、「その場所に泊まる理由」になることもあります。
民泊ありきではなく、その物件の特徴と自分が作れる運営体制を照らし合わせながら、空き家に合った活用方法を検討しましょう。
実際の運営方法も参考にしたい方へ
地方の空き家を民泊として活用するイメージをもう少し具体的に持ちたい方は、物件選びや遠隔運営の実例も参考にしてみてください。
▶ 民泊運営を週3勤務で回す方法|夫婦2人で7軒を遠隔運営した仕組みと地域共生の工夫
▶ 一棟貸し宿の遠隔運営を安定させる条件とは|海辺ヴィラの事例に学ぶ鍵管理と設備選び
地方の空き家を民泊にするときによくある質問(FAQ)
最後に、地方の空き家を民泊として活用するときによくある疑問をまとめました。
Q1. 地方と都市部では民泊運営で確認するポイントは違いますか?
基本的な考え方は共通していますが、物件ごとの宿泊需要や周辺環境、運営条件によって確認すべき内容は変わります。
特にオーナーが施設から離れた場所に住んでいる場合は、清掃やメンテナンス、緊急時の駆け付けなど、現地で必要になる業務を誰に任せるかまで決めておくことが重要です。
Q2. 空き家を民泊にする場合、リフォームは必要ですか?
すべての空き家でリフォームが必要になるわけではありません。
建物の状態や営業形態などによって、必要な工事や設備は異なります。
内装だけでなく、宿泊施設として利用するために必要となる設備や対応、その費用まで確認したうえで判断しましょう。
Q3. オーナーが遠方に住んでいても民泊を運営できますか?
遠方から民泊を運営している事例はあります。
ただし、すべての業務を遠隔化できるわけではありません。
予約管理やゲスト対応、鍵管理など遠隔化できる業務と、清掃やメンテナンス、緊急対応など現地で人が必要になる業務を分け、それぞれを誰が担うのか決めておくことが重要です。

